2015年10月8日木曜日

小さなバレーリーナと衝突しそうな演奏

こちらは少々古いお話。
あるバレー教室からの依頼で、
『くるみ割り人形』の中の『雪片のワルツ』を生演奏することになりました。
他の曲は CDを使われたのですが、これだけは
『生で、しかも舞台上で演奏してください』とのこと。
踊るのは、そのバレー教室の小さな生徒さんと、
一般募集のお子様たち。
 
私たちは、舞台の後ろの方にしつらえられた、バルコニーの下のようなところ。
支えの柱の隙間に、何とか指揮者が見えるように陣取る。
かなり狭い空間なので、そこでヴァイオリンを弾くのは苦しい。
 
舞台では、小さな子供たちは雪の妖精になって、思い思いに走り回ります。
私たちが演奏しているのも目に入らない感じで、
指揮者との間を走り抜けていきます。
なかには、勢い余ってぶつかってくる子も……
 
普通では考えられない演奏状況で、弾くのは大変でしたが、
子どもたちの思いっきりはしゃいでいる笑顔に癒され、
私たちも自然の笑顔になれていました。
 
オーケストラボックスでは舞台は見ることが出来ませんが、
実際に躍っている子供たちを見ながらの演奏は、
演奏と踊りの結びつきを、より強く感じることが出来て、
なかなか味わうことのできない、貴重な体験でした。
 
私が、『踊りのステップを感じながら演奏することを大切にしたい』
という思いを強くした経験です。
 
『くるみ割り人形』に強く惹かれるのも、この時の影響かな。
より多くの人と、音楽の喜びを共有したい。
今年の発表会にもこんな要素を一杯盛り込んでいます。
 
11 23(月・祝 )  14時開演 京都市北区文化会館ホールで、
40 周年記念コンサート『くるみ割り人形』をします。
毎年の発表会のお客様は、多くても 100人。
そんな私たちが、 400人も入るホールでやります。
お時間が有りましたら、私たちと楽しい時間を共有しに来てくださると嬉しいです。

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